2014年

11月

23日

遂に始動、ペレット床暖房!

この画像、なんだと思いますか?

実は弊社のオフィスにあるバーカウンター(別名”ねんぴ亭”)の床の熱画像です。

はい、そうなんですよ。遂に床暖房回路が動き始めました!

イタリアからストーブが届いてから今日の運転開始まで、ほぼ半年はかかったので無いでしょうか?キーアーキテクツのお施主さんの物件が最優先でしたので、

事務所の改修工事はずっと先延ばしになっていましたが(まだ天井全部貼っていないし・・・)、

今年の冬は絶対にペレット床暖房だ!と願っていたのでとても嬉しい気分です!

左から順にミーティングルーム、社長室、そしてそれぞれの部屋に温水を送っている設備室(ただの床暖房のヘッダーです)の様子がおわかりいただけます。設備室は奥行き40センチほどのキャビネットですが、写真の右側に映っている四角い箱が、下のフロアのペレットストーブから上がってきた温水の熱を受け取り、床暖房回路に渡している、プレート式熱交換ユニットというものです。熱画像からヘッダー等の断熱がテキトーなのがお判りいただけますか?これは設備屋さんの配慮で、このキャビネットがあるシャワールームが少し温まるように、だそうです・・・。

そして暖房の熱源は1Fのグリーンファインズにあるペレットストーブです。最大18kWの出力が出るこのペレットストーブの熱の8割は温水となって2Fにある弊社の給湯&床暖房回路に送られます。残りの2割はグリーンファインズの室内に、直接輻射熱として放出されます。1Fの床面積が2Fの半分程度であること、そして1Fの店主が暑がり、2Fの私達(主に女性スタッフ)が寒がりであることをふまえ、こちらの製品を選びました。しかしグリーンファインズは商店街に面して高性能なトリプルサッシを入れている本屋ですので熱ロスがほとんどありません。したがって”暑くてたまらない!”というクレームが飛んでくる可能性は十分あります。そこで、月曜日から土曜日は朝の7時半から10時までストーブを運転、夕方は5時から9時まで運転するように設定しました。これによって上下階共にエアコンの消費電力が少しでも減れば、このプロジェクトは大成功です。給湯に関しても今のところガスフリーとなっており、2Fの太陽熱温水を1Fにも分けている状況ですが、冬場はペレットストーブの温水が給湯をバックアップしますので、湯切れの心配が無くなりそうです。

そして一番心配だった排気管ですが・・・

FFストーブのステンレス2重煙突を転用し、煙突内で給気と排気を熱交換することで、

ペレットストーブからの80度近い排気の温度が58.8度まで下がっている様子が分かります。

という事は、外気は10度以上温められてストーブに入っているようなので、

燃焼効率がアップする事が期待できます。

今はまだこんな感じで露出しておりますが、これから周りの内装材を仕上げて綺麗に壁面に収まるデザインにいたします。実はこのペレットストーブは様々な困難を乗り越えて本日の運転開始に至りました。製品が勝手口の幅よりも1mm小さかったので奇跡的にこの場所に収まった事に始まり、本当は密閉回路の意味を判っていない設備屋さんがそれを隠して通常の(酸素を通す)架橋ポリを先行配管した事が後で発覚したり、内蔵ポンプの取りつけ部分のネジが海上輸送中に緩んでしまっていて密閉回路から漏気したり、挙句の果てはペレットのストレージタンクにメーカーが親切にも商品カタログを詰め込んだので、ペレットを入れても着火出来なかったり・・・。これで動かなかったらどうしようというプレッシャーが日々高まる中、今日遂に動作確認をする事が出来ました。これまで御協力いただいたエキスパートの皆様に、この場を借りてお礼申し上げます!また、年内にはお披露目パーティを執り行いますので折って御連絡いたします。

今のところ12月24日が濃厚でして、プレゼント交換もやりますのでご準備ください(笑)!

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2014年

11月

06日

横浜国大での講演を終えて・・・

15年前に卒業した母校の横浜国立大学にて、現役学生向けに講演をしてまいりました。

久しぶりに訪れたキャンパスには、新しいバス停が出来ていたり、図書館でお茶とケーキをいただけたりと進化しておりました・・・。さて、写真が私が学んだ同校の建築棟です。最近莫大なお金をかけて壁面緑化をしておりますが、その省エネ効果はほとんど無かったとのことで、環境系の先生達からはブーイングだそうで。外断熱改修してもお釣りが来るほどのコストがかかっております(笑)。世界的に見ても、”エコなイメージ”をデザインする事ほど恥ずかしい事はありませんね。

私がダブリンで設計をしていた頃は所長のメリットが常に構造設計のソーベック氏と環境コンサルティングのマティアスの意見に耳を傾け、デザインに昇華させることでクライアントからの絶大な信頼を得ていましたから、そのようなチームワークの素晴らしさを知ってしまった私にとって日本のワガママな建築家って社会的に存在価値が薄い人が多いな、と感じます。

ということで、建築家として社会的責任を果たそう!という切り口で学生にメッセージを送りたいと思いました。たっぷり2時間の時間を頂いたにも関わらず、いつもよりも気合いが入ってしまい、そして国大在籍中やドイツ留学中の思い出話などもしてしまい、燃費ナビや省エネ健康マップと紹介している内にとてつもない時間超過をしてしまいました。嫌な顔もせずに真剣に聞いてくださった聴講者の皆様には本当に感謝です・・・。

学生の下宿しているアパートはかなりの確率で劣悪な温熱環境なので、今日の話、少しはリアリティがあったでしょうか?ラジコンハウスとエアコンハウスの話をするときには何時も宿谷先生のエクセルギーの図を使わせて頂いております。結局あれこれ欲張りすぎて、喋り足らなかった・・・というのが正直な思いです。学生たちは一体どんな思いで聞いてくれたのだろうか???そんな事を考えながら悶々としていると、私の講演を聴講されたOBの方から翌日にOB会役員に宛てたコメントが寄せられましたので匿名でご紹介させていただきます。私にこのような機会を与えてくださった3講座の河端先生に心よりお礼申し上げます。


水煙会役員各位

昨日、2014水煙会秋期セミナーを拝聴しました。
有意義な内容で大変よかったと思います。

只、聴衆で学生さん以外の方の出席が少なかったのが残念でした。
当初はセミナーの内容は建築に於ける省エネの技術のことだけくらいに思っていました。

しかし実際に拝聴してみると、その技術が如何に大切なものかを改めて知らされました。
LEDの発明が照明の省エネに革命的効果をもたらせたように、このパッシブハウスは建築に於ける省エネの実現で人類のエネルギー消費を少なくする最も有力な方法の一つということです。
これからの社会はどうあるべきかを示唆している問題です。我々は目先の問題にとらわれず、次の世代に引き継ぐ有力な技術を早急に構築しなければなりません。
このセミナーを聴いて原発ゼロに向かって自信を持って推進できる思いを実感しました。

講師の森みわ様には心より感謝申し上げます。
セミナーを開催するにあたり、宇都宮会長・河端先生及び関係の方々におかれましては

誠にご苦労さまでした。御礼申し上げます。

ところで、このような水煙会主催の有意義なセミナーは学生さんだけでなく、

出来るだけ多くの方に聴いて頂くことが望まれます。
それにより横浜国大の知名度が更に上がり、社会にも貢献できるものと確信いたします。

今後は開催のPRを更に充実させなければなりません。

呼びかけも費用がかかるかもしれませんがネットだけでなく、場合によっては設計事務所

(今回は住宅メーカー)や施工業者団体にも連絡することも必要と考えます。
今後の水煙会の更なる発展を切に祈念いたします。

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森みわ共著「あたらしい家づくりの教科書」

2016年9月1日発売

アマゾンで絶賛発売中!

東日本大震災を経て、省エネな暮らしの大切さに多くの方が気付かれました。2012年発売の「図解エコハウス」。これまで沢山のお施主さんがこの本を握りしめて設計相談に来られました。温熱を勉強したい実務者の方も是非!

パッシブハウス・ジャパン
東北芸術工科大学