2022年

6月

28日

基礎外断熱 続き

信濃追分の家の発泡ガラスボードが無事に基礎立ち上がりに打ち込まれましたので、今日はその仕上げ工程です。軽井沢は凍害がある地域のため、この発泡ガラスボードのベースコートにはセメントフリーの樹脂モルタルの使用が重要とのことで、StoJapanさんの施工指導の下、プライマー塗り、ベースコート+ファイバーメッシュ伏せ込みがスタートしました。Stoの湿式外断熱工法は、キーアーキテクツの設計で度々登場しますが、今回は基礎で活躍して頂くことになり、現場が突如黄色くなりました(笑)。

真っ白なベースコートが乾いたら、今度はトップコートに防水性能のあるダークグレーの左官材が施工されました。念のため、基礎の捨てコンに折り返すようにメッシュを伏せ込んで頂きました。発泡ガラスボードはシロアリの食害を受けません。ですので今回はキーアーキテクツ標準の銅板による蟻返しがありません。一方で、発泡ガラスボードの熱伝導率は0.052W/mKと、寒冷地軽井沢のパッシブハウスにはやや心細いものがあり、今回は基礎内断熱を併用する設計です。基礎内断熱の割合が大きすぎると、冬季に基礎コンクリートの室内側の表面温度は下がる傾向にあるため、完全な基礎内断熱程では無いにしろ、結露やカビのリスクは上がります。したがって、現在は寒冷地でありながらも、将来的にシロアリが北上してくる可能性のある地域での基礎まわりの断熱の検討は、慎重になされなければいけません。

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2022年

6月

06日

発泡ガラスボードで基礎外断熱中!

信濃追分の家では現在、ドイツから試験輸入している発泡ガラスボードを使った基礎断熱工事が進んでいます。リサイクルガラスをボード状に発泡させる技術は日本にはありませんが、何れチャレンジしてくれるメーカーさんが現れることを夢見て採用しています。なんといってもこの材料、白蟻に食われません。もちろんホウ酸処理をした防蟻タイプの断熱材も既に普及していますし、板金による物理的な蟻返しといった方法もあります。基礎外断熱はこれからの建築の高断熱化には欠かせない工法になりますので、いろいろな選択肢があると良いと思っています。外壁や屋根の断熱材にセルロースファイバーを使いたいという感性をお持ちの方、基礎断熱もリサイクルガラスでいかがでしょうか?薬剤による防蟻効果が信じられない!という持論をお持ちの方、物理的に食い破れないこちらの材料でいかがでしょうか?密かに基礎内断熱から脱却したい方、内断熱はそのままに、とりあえず外側に発泡ガラスボードを50ミリ貼ってみましょう。基礎コンクリートの室内側の表面温度が上がり、床下の衛生状況が随分と改善される筈です。

通常の断熱材よりももろく、切断の際に注意が必要ですが、出隅部分もとても丁寧に施工して頂いてます。因みに先日構造家の佐藤淳さんにこの材料を紹介したところ、断熱性能があり、圧縮強度も非常に高いため、月面基地の建設に採用したい!というコメントが飛び出しましたが、私は月や火星に移住出来ない大半の人々の暮らしを守る為にこの材料を地球で使いたいのですね(笑)。地球上での使用に興味のある実務者の方はStoJapanさんまでお問合せください・・。

森みわ共著「あたらしい家づくりの教科書」

2016年9月1日発売

アマゾンで絶賛発売中!

東日本大震災を経て、省エネな暮らしの大切さに多くの方が気付かれました。2012年発売の「図解エコハウス」。これまで沢山のお施主さんがこの本を握りしめて設計相談に来られました。温熱を勉強したい実務者の方も是非!

パッシブハウス・ジャパン
東北芸術工科大学