地産地消のむずかしさ

今年もあっという間に終りまで来てしまった。年内に上げなくてはいけない原稿をひたすら書く日々。地産地消というキーワードを執筆の中でよく用いている自 分が、息抜きにとロンドンから突如送られてきたコピ・ルアックというインドネシアのコーヒー豆を煎って飲んでいることに気が付く。この豆のフードマイルを 思うと愕然とする。しかしこの豆は野生動物の排泄物の中から集められているようなので、完全なるリサイクル・フードである。口実をあれこれ考えては、地産 地消の生き方の選択が、現代においていかに難しいかを痛感させられる。それだけではない。どう考えてもフェア・トレードとしか思えない小売価格ではあるも のの、ジャコウネコの糞探しを仕事とする人たちが遠い国にいるのは、どうも気まずい。そもそも貧しい国の人々が私たちのためにコーヒーを栽培していること 自体、気まずい。最近の一杯のコーヒーは、息抜きどころかますます私の悩み事を増やしている。

森みわ共著「あたらしい家づくりの教科書」

2016年9月1日発売

アマゾンで絶賛発売中!

東日本大震災を経て、省エネな暮らしの大切さに多くの方が気付かれました。2012年発売の「図解エコハウス」。これまで沢山のお施主さんがこの本を握りしめて設計相談に来られました。温熱を勉強したい実務者の方も是非!

パッシブハウス・ジャパン
東北芸術工科大学