15年前に卒業した母校の横浜国立大学にて、現役学生向けに講演をしてまいりました。
久しぶりに訪れたキャンパスには、新しいバス停が出来ていたり、図書館でお茶とケーキをいただけたりと進化しておりました・・・。さて、写真が私が学んだ同校の建築棟です。最近莫大なお金をかけて壁面緑化をしておりますが、その省エネ効果はほとんど無かったとのことで、環境系の先生達からはブーイングだそうで。外断熱改修してもお釣りが来るほどのコストがかかっております(笑)。世界的に見ても、”エコなイメージ”をデザインする事ほど恥ずかしい事はありませんね。
私がダブリンで設計をしていた頃は所長のメリットが常に構造設計のソーベック氏と環境コンサルティングのマティアスの意見に耳を傾け、デザインに昇華させることでクライアントからの絶大な信頼を得ていましたから、そのようなチームワークの素晴らしさを知ってしまった私にとって日本のワガママな建築家って社会的に存在価値が薄い人が多いな、と感じます。
ということで、建築家として社会的責任を果たそう!という切り口で学生にメッセージを送りたいと思いました。たっぷり2時間の時間を頂いたにも関わらず、いつもよりも気合いが入ってしまい、そして国大在籍中やドイツ留学中の思い出話などもしてしまい、燃費ナビや省エネ健康マップと紹介している内にとてつもない時間超過をしてしまいました。嫌な顔もせずに真剣に聞いてくださった聴講者の皆様には本当に感謝です・・・。
学生の下宿しているアパートはかなりの確率で劣悪な温熱環境なので、今日の話、少しはリアリティがあったでしょうか?ラジコンハウスとエアコンハウスの話をするときには何時も宿谷先生のエクセルギーの図を使わせて頂いております。結局あれこれ欲張りすぎて、喋り足らなかった・・・というのが正直な思いです。学生たちは一体どんな思いで聞いてくれたのだろうか???そんな事を考えながら悶々としていると、私の講演を聴講されたOBの方から翌日にOB会役員に宛てたコメントが寄せられましたので匿名でご紹介させていただきます。私にこのような機会を与えてくださった3講座の河端先生に心よりお礼申し上げます。
水煙会役員各位
昨日、2014水煙会秋期セミナーを拝聴しました。
有意義な内容で大変よかったと思います。
只、聴衆で学生さん以外の方の出席が少なかったのが残念でした。
当初はセミナーの内容は建築に於ける省エネの技術のことだけくらいに思っていました。
しかし実際に拝聴してみると、その技術が如何に大切なものかを改めて知らされました。
LEDの発明が照明の省エネに革命的効果をもたらせたように、このパッシブハウスは建築に於ける省エネの実現で人類のエネルギー消費を少なくする最も有力な方法の一つということです。
これからの社会はどうあるべきかを示唆している問題です。我々は目先の問題にとらわれず、次の世代に引き継ぐ有力な技術を早急に構築しなければなりません。
このセミナーを聴いて原発ゼロに向かって自信を持って推進できる思いを実感しました。
講師の森みわ様には心より感謝申し上げます。
セミナーを開催するにあたり、宇都宮会長・河端先生及び関係の方々におかれましては
誠にご苦労さまでした。御礼申し上げます。
ところで、このような水煙会主催の有意義なセミナーは学生さんだけでなく、
出来るだけ多くの方に聴いて頂くことが望まれます。
それにより横浜国大の知名度が更に上がり、社会にも貢献できるものと確信いたします。
今後は開催のPRを更に充実させなければなりません。
呼びかけも費用がかかるかもしれませんがネットだけでなく、場合によっては設計事務所
(今回は住宅メーカー)や施工業者団体にも連絡することも必要と考えます。
今後の水煙会の更なる発展を切に祈念いたします。
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