2017年

4月

03日

パッシブタウンのお話

去る3月31日に、富山県黒部市に竣工しました、パッシブタウン第三期街区(設計:キーアーキテクツ、施工:松井建設)のJ棟竣工式及び記者会見が滞りなく終了いたしました。2014年に改修提案をさせて頂いた当時から3年近い歳月を経て、こうして無事にJ棟が生まれ変わった姿を目にする事が出来るのは、設計者として感無量です。こちらの写真はJ棟の北面外壁ですが、湿式外断熱(EPS)によるブルーグレーの階段室と、乾式ロックウール外断熱+富山県産の杉板の住戸部分の反復が、我ながら美しく仕上がったなあと。このプロジェクトをサポートしてくださった、施主を含む沢山の関係者の皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。今後複数のメディアで取り上げて頂ける予定ですので、詳細情報はそちらに掲載させて頂くとして、ここでは出来立てホヤホヤの竣工写真を少し紹介させて頂きます。

キーアーキテクツが設計を担当した第3期街区はリノベプロジェクト。

既存棟2棟(J棟及びK棟)をスケルトンにし、断熱改修を行いました。

今回竣工したJ棟は、単身者向けの27住戸からなる、4階建てで、

独・パッシブハウス研究所からEnerPHit認定を取得する予定です。

 

今回の改修の大きな特徴としては、改修にあたって既存のRC造片持ちバルコニーを切断したことでしょう。その後、外断熱で外壁をすっぽりと包んだ後、鉄骨のバルコニーを新規に立ち上げています。まさに”取って付けた”バルコニー(笑)。このバルコニーは構造設計の佐藤淳さんと一緒に考えました。既存躯体にバルコニーの荷重を負担させないよう、バルコニーは自立した構造になっています。

 

その結果、外壁の外断熱は切れ目なく施工され、以前よりも奥行のあるバルコニーが出現、そして建物全体の自重が減ったため、内部にエレベーターシャフトを新設したり、2つの住戸ユニットを上下に繋げてメゾネットタイプの住戸を出現させたり、という間取りの操作が可能になりました。日本全国に多数存在すると言われる、壁構造の公団住宅などのストック再生手法の一つのモデルになればと思い、取り組ませて頂きました。

 

6月中旬のK棟の竣工をもって、第3期街区プロジェクトは完了しますが、既に竣工している1~2期街区、及び3期街区のJ棟は、見学申し込みが可能との事ですので、是非パッシブタウンまでお問い合わせください。

パッシブタウンは、こちらのウェブサイトでコンセプトなどをご覧いただけます。

RC躯体をリユースした事で、建設コストが削減されているため、内装材に天然素材を使用したり、地元の家具屋さんによる水回りの造作が実現しました。

ちなみに改修前のJ棟はどんな建物だったかと言うと、こんな感じでした。

築30年を経て、J棟は付加価値の高いバリアフリーな住戸に生まれ変わりました。

バリアフリーというと物理的な段差等の解消を連想される方が多いですが、

日本ではまだまだ認知度の低い、温熱のバリアフリー化、大切ですね。

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パッシブハウス・ジャパン
東北芸術工科大学