ウィーン渡航

4月27日~30日でウィーン開催の

第21回国際パッシブハウスカンファレンスに参加して参りました。

前回に続き、”アイスブロックチャレンジ”と称したコンペが開催されています。

左側が断熱厚80mmにペアガラスの入った”普通の家”、

右がトリプルガラスが入ったパッシブハウス仕様、断熱厚450mmの家。

中に入っている250Kgの氷は、5月28日時点で何Kgになっているかを

当てるイベントです。

カンファレンスの会場外に設置されているため、

イベントの広告塔の役割も果たしているのですね。

ちなみに、昨年の優勝者はなんと日本からの参加者でした!

参加者は例年通り1000人を超え、メーカーブースは75社程、熱交換換気装置のバリエーションが引き続き増えている印象です。中には改修向けに窓と熱交換換気装置を一体化させ、窓台に給気口がインテグレートされている提案などもありました。

私は茨城パッシブハウスでの給気冷房(6畳用ルームエアコン用のヒートポンプからのガス冷媒を直接給気経路に送り、換気風量のみで全館空調する方式)の実測値に関する発表を行いましたが、通常のルームエアコンとしての運転よりも、室内の湿度が下がる事が実測された事を受け、北米や南米、そしてオーストラリア、ニュージーランドからの参加者が大きな関心を寄せてくださった事が収穫でした。パッシブハウスならではのスマートな冷房方式が確立されれば、夏が厳しい地域でも一気にブームが来る予感がしました。

また、今回はキーアーキテクツがエネルギー・コンサルタントを務めた東京都新宿区の東長寺、文由閣のLow Energy Building認定の授与式が行われ、住職の参加が叶わなかったため、私が代わりにファイスト博士より認定状を受け取りました。授与式の会場はなんと、1889年に建てられたウィーン自然史博物館内(写真上)。

 

教会建築及び、モスク建築においては、既にパッシブハウス認定を取得した物件があるとの事で、この度仏教建築が仲間に加わった事をファイスト博士は心より喜んで下さいました。

紛争の無い平和な未来のために、宗教のリーダー達が省エネルギーというキーワードで宗派を超えて繋がっていく事は素晴らしく、私達も微力ながら引き続き、建築デザイナーの立場ではありますが地道な活動して参りたいと思います。

森みわ共著「あたらしい家づくりの教科書」

2016年9月1日発売

アマゾンで絶賛発売中!

東日本大震災を経て、省エネな暮らしの大切さに多くの方が気付かれました。2012年発売の「図解エコハウス」。これまで沢山のお施主さんがこの本を握りしめて設計相談に来られました。温熱を勉強したい実務者の方も是非!

パッシブハウス・ジャパン
東北芸術工科大学