持ち物には名前

自分の持ち物には名前を書きなさいと、小さい頃から言われていましたが、あれは本当に嫌いでしたね。油性マジックで名前を書いた瞬間、プロダクトの完成されたデザインが一気に格好悪くなってしまう。それでも自分の子供が幼稚園に上がる際、やはり沢山名前を書かなくてはいけなくて、あれこれ考えました。オリジナルのタグを作ったりして。

 

そんな私が今年、無印良品のスーツケースを買いました。何度修理してもぶっ壊れるサムソナイトと決別したので。でも無印のスーツケースは当然ながらロゴマークが無くて、色の種類も少ないので同じものを持っている人に結構な確立で遭遇するようになりました。ということで、前置きが長くなりましたが、どっかの空の上でノリで作ったのがこのオリジナルステッカー(笑)。最小ロット数がそれなりだったのでまだ大量にあります。欲しい人いないと思いますが、おすそ分け可能です。

更に調子に乗って裁縫用にオリジナルタグ(こういう形状はビスネームと言うんですね)も作りました。ステッカーの入稿先をネットで探していたら先にこちらのサービスが見つかってしまった、という事もあり(笑)。中学高校時代は母の持っていたエレクトロラクス製のミシンを使っていろいろなものを縫っていましたが、建築の大学に入って以来、私の創作意欲は全て空間デザインに向かってしまい、布を扱う時間から離れてしまったんですね。

 

でもドイツで暮らしていた頃、息抜きにまた裁縫がしたくなって安いミシンを買いました。母の高級ミシンとは大違いで、なんの機能も付いていなかったけれども、正直トラブルはよっぽど少なかったんです。それで日本に拠点を移した8年前も、通販生活が紹介していたシンプルなミシンを買いました。ここ数年の主な使い道は、子供の学校用に雑巾を縫うこと!!!

 

ところが近年着物を着る様になって、ようやっと針と糸に触る日常が戻ってきました。妥協して出来合いを買うくらいなら自分で創作したい、という建築設計のプロとして、そして主婦としてのこだわりが、「食」や「住」だけでなく、遂に「衣」にも向けられたのは自然な流れなのですが。

 

街には至る所に洋服を売る店があり、ゴミのようなものが大半です(恐らく本当に大半がゴミになるのではないかと思います)。残念ながら、ファブリックの色も風合いも、シルエットもサイズも縫製のクオリティも、全て満足出来た衣類など、私はこれまでに出会ったことがありません。洋服を買う事ほど、私に取って億劫なことって無いです。幸いにも素晴らしいファブリックを織っている方が日本の各地に沢山おられ、事務所から徒歩1分のところにスワニーもありますし(笑)、これからは素材を重視して、手作りやファッションを楽しめたらと思います。無駄な消費や資源の無駄遣いをなくすためにも、洗濯機やアイロンと同様に、ミシンも一家に一台あるべきだと思いませんか?!

 

ただ、昔母が作ってくれたものはいかにも手作り風で、照れ臭かったのを想い出します。特別なテクニックを有しない素人が手作り感を打破するためには、こんなタグも活用しないと(笑)。

森みわ共著「あたらしい家づくりの教科書」

2016年9月1日発売

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東日本大震災を経て、省エネな暮らしの大切さに多くの方が気付かれました。2012年発売の「図解エコハウス」。これまで沢山のお施主さんがこの本を握りしめて設計相談に来られました。温熱を勉強したい実務者の方も是非!

パッシブハウス・ジャパン
東北芸術工科大学