バイオマスクッキング

今日は午前中にパッシブタウン3期の視察申し込みがありまして、朝から黒部に参りました。午後はコミュニティセンター内のペレット調理器の試運転序に、ハロウィンのクッキーを焼いてみました。

このイタリア製ペレット調理器は北陸の60Hzに対応できる状態にしてもらってから出荷され、パッシブタウンのコミュニティセンターは今年6月に竣工しました。今年初めての暖房シーズンを迎えましたが、温水回路も順調に動いており、床暖房と給湯タンクにペレットストーブの熱を分配してくれています。何しろオーブン庫内の温度がマニュアル通りに上がってくれ、無事にクッキーが焼きあがった事は、まだ国内での導入実績が少ないこの設備の採用を後押しして下さったお施主さんへの良い知らせです。

クッキーを焼くには170℃~180℃が必要なので、今回はオーブン出力を一番低くしてストーブを運転しました。アナログの温度計がガラス面に付いていますので、こちらから庫内の温度が180℃と読み取れます。写真にはガラス面に床のタイルが写りこんでしまっているのでちょっと変ですね。

 

この調理器は自動着火の間だけ300Wほど電力を消費しますが、それは1~2分の出来事で、その後はスクリューと排気ファンの動力だけですので80Wの消費電力で動き、暖房と給湯、調理のエネルギーを供給します。逆に言うと、電気が無いと何も動かない。なのでコミュニティセンターには4kW程の太陽光発電と、12kWhの蓄電池を搭載しました。万が一の時は防災拠点として地域の方の助けになればと思います。

ところでエネルギーを蓄えるというと、皆さん直ぐに蓄電池(ケミカルバッテリー)を思い浮かべませんか? でもお湯を貯める貯湯タンクも英語ではサーマルバッテリーと呼ばれ、重要視されています。どちらのバッテリーが製造時のエネルギー消費が少なく、長持ちするかは、何となくお分かりいただけると思いますが、こちらのコミュニティセンターではサーマルバッテリーも300L装備、太陽熱集熱パネルからの熱も受け取る回路となっています。

 

これまで長い道のりでしたが、今日は取り組んで良かったと思う瞬間でした。

私達に沢山の入れ知恵をしてくださった全ての皆様に感謝です。

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パッシブハウス・ジャパン
東北芸術工科大学