日本エコハウス大賞2017での新築部門大賞受賞に安堵するも、
東京→福岡→京都と移動する激動の3日間を終え、今週土曜日の朝は京都で目覚めました。さて、数年前に始まった私の着物熱は、まだ覚めることを知らず、相変わらず研究が続いています。今日はこれまで手に入れた中で一番砕けた着物のお話。
そう、これデニムの着物です。たまたまサイズがドンピシャだったので、ネットオークションで買いました。これに同じくネットで中古で買った1500円の名古屋帯を合わせて、昨日雨交じりの京都を散策した時の事です。
ホテルの近くにあったd&department Kyotoから、タクシーを拾いに河原町通に向かって歩いていくと、京唐紙体験のお店を見つけました。古典的な木版のパターンに敬意を表しつつも進化したモダンなパターンが、同じく伝統的な金銀の色で和紙に写し取られた時、それは洋とも和とも言えない独特の雰囲気を醸し出していました。
私がその感動を口にした時、店員さんが言いました。
そう仰って下さいますお客様の本日のお召し物ですが、こちらも遠目で見たら着物通のような方が通りを歩いておられると思ったら近くで見るとそれ、ジーンズですか!?しかもマヤの太陽神みたいな刺繍柄の帯に蛍光色の小物。洋なのか和なのか分かりませんけど独特の雰囲気で素敵ですと。
太陽神とは素晴らしい表現ですね。私には太陽のマテ茶(のペットボトルの柄)のイメージだったので(笑)。帯のたれの部分に落ちないシミがあり、それを隠すように仕立て直して3500円追加投資した自慢の帯です。蛍光色の帯締めは、伯母から譲り受けたもので、偶然にもキーアーキテクツカラーなので大事に持っていますが、なかなか出番がありませんでした・・・。
京都の老舗店の方に着物を褒めて頂く事程嬉しい事は無くて、
しかもこんな砕けたというか、ある意味ふざけた格好をです!!
その後、将軍塚の青龍殿大舞台で雲海を眺めながら(写真の合成が雑ですいません)、
お腹も空いていたせいか、”オクシモロン”という言葉が突如頭をよぎりました。
オクシモロンって私が好きな鎌倉のカレー屋さんの店名なんですが(笑)。
下記はウィキペディアより。
最近初めてその言葉の意味を知りました。
「賢明な愚者」、「明るい闇」ですって。
詩的過ぎて、一体何時使うんだこんな表現!!って思っていましたが、
このデニムの着物と太陽神の名古屋帯、蛍光色の帯締めを見ていると、
「洋な和」、「カジュアルなよそ行き」といった
一見相反する形容詞が思い浮かびます。
賢者と愚者、明るいと暗いほどは互いに矛盾していないかもしれませんが、
これが私が使いこなせるオクシモロンの限界かな、なんて。
建築デザインでも日常生活でも、洋と和、そしてカジュアルとフォーマルの
素敵なテンションを感じていきたいですね。
そして最後に、くれぐれも過労で「生きる屍」にならないように、
肝に念じて人生を楽しんで参りたいと思います・・。