昨日オーストリア出張から戻りました森です。
さて、SDGsのピンバッジ、最近よく目にするようになりましたね。スーツにはピンバッジで良いのでしょうが、和服の時に使い勝手が悪く、帯留めにならないかな?と思案していたのが始まりでした。ちなみに写真の石原新菜先生は、マグネットタイプのバッジを付けていらっしゃいます。
私が暮らす鎌倉の大町には、鎌倉友禅の第一人者、坂井教人さんと娘さんの三智子さんがお住まいなのですが、地域に根付いた日本の誇る伝統技法で、丁寧にモノづくりしていく事、それ即ちSDGsの目指す社会ではありませんか!?という事で、今問題になっている、「ファストファッション」に対抗すべく、お忙しい坂井三智子さんに無理を言って、SDGsを私流に纏ってみることにいたしました。三智子さんはなんと、東京オリンピックに向けたイマジン ワン ワールドの着物プロジェクトで、フィジー共和国の振袖制作を担当されました。一方お父様の教人さんは、パラオとシリア・アラブ共和国の振袖を製作されています。オリンピック開催までに213の参加国をイメージした振袖と帯が製作されるとの事です。
今回の企画のために、三智子さんはわざわざ帯用の反物を探してくださり、野蚕(やさん)から取った絹糸で織ったざっくりとした風合いの帯地を提案してくださいました。そして何度も打合せを重ね、柄の大きさや配置を検討する事が出来ました!
友禅ではまず防染といって、色を乗せない部分を糊で丁寧に伏せていきます。今回は生地が厚めなので、念には念を入れて防染されたそうです。
17つのゴールを掲げるSDGsのロゴは、17色で構成されており、その17色を手作業で調合しています。順番を間違えては大変と、全ての色に番号が振られていました!!
体の前に来る帯の柄は、同じ17色を使ったストライプにしてみました。乾くと若干色が薄くなるので、厳密に色を再現する事は本当に難しいのですが、それが手染めの良さであり、世界でひとつだけのモノづくりの贅沢だと感じました。何事も機械化され、同じ品質のものが早く大量に出来る時代だからこそ、手作りの価値が判るのかも知れませんね。
塗った直後はこんな感じ。ここから数日乾かした後、反物は京都に送られ、糊を落として頂きました。
これが手元に届いた反物です。SDGsのカラーホイールはどちらかというと「カワイイ」系なので、フォーマル用というよりも少しカジュアルな和装で、大島紬などにも合うようなデザインとして頂きました。これはもうたまりませんね!! これから東京の和裁士さんが帯に仕立てて下さります。もう出来上がりが楽しみで仕方がありません・・・。
勿論、日本人女性が皆和装になるべきとは思いませんが、先進国の女性のファッションが変われば、環境問題や途上国の貧困問題にもアプローチできる、そんな気がしています。
そして皆さん、私がこの帯を締めているのをどこかで見かけたら、必ず声をかけて下さいね(笑)。
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