ベランダ発電を考える

仕事場は家から自転車で3分とは言え、普段はワークホリック気味な私。なんだかんだ鎌倉に居ない事も多いので、コロナウィルスの感染拡大につれ、子供と家で過ごす時間が長くなりました。それが唯一の不幸中の幸いかもしれません。学校から出ている宿題もそれほど多く無いようで、基本的に暇人の中学2年生を見ていると、今しか出来ない”何か”を体験させたいという気持ちが募ります。それで子供を親の関心事に付き合わせるという試みのうちの一つがこれ(笑)。ベランダ発電メンテナンス。

以前ドイツのネットショップで購入した、湾曲する太陽光パネル。事務所の屋根に乗っている寺田の太陽熱温水器のタンクに巻き付けようと思ったのですが、実際現物を手に取ってみると、思ったほど曲がらなくてそのまま放置されていました(涙)。四隅に鳩目が打ってあり、ロープで固定出来るので、クルーザーのデッキの上で使おうと思っていたのですが、それにはちょっとパネルが大きすぎたので、自宅のベランダ発電用となりました。防災の事も考えて、少し容量に余裕がある正弦波インバーターも購入。常時1200W出力、最大2400W出力可能です。停電時に電子レンジとドライヤーと炊飯器を同時に使うなんてことはありませんが(笑)、瞬間的に負荷がかかる工具とか、万が一必要な時にと考えました。

悩ましいのがバッテリーの選定です。以前購入した鉛のディープサイクルバッテリーを、長い事放置してしまった結果、深放電してしまい廃棄するという苦い経験をしてしまい、今度は暮らしの中に取り込んでみようと決意した訳ですが。今回の蓄電池は12V x 100Ahという事は1200Wh、即ち1.2kWhの蓄電池です。”Suitable for Solar(太陽光発電に適したタイプ)”というのがあったので、選んで見ました。

太陽光パネルと蓄電池を繋ぐのがこちらのバッテリーコントローラー。左から順に、太陽光パネル、蓄電池、負荷と接続します。負荷に関しては12V以外に、左上に5VのUSBコンセントが2つ付いているので、もっぱらこちらを活用してしまいがち。電池容量を確認しながら、ここからどんどん電気を使ってみることになりました。

 

今回の太陽光パネルが150Wp出力、蓄電池が1.2kWhの容量だとすると、この我が家のベランダ発電は、私が1軒の住宅でイメージしているシステム容量(太陽光パネル3kWpに蓄電池20kWh)のおよそ20分の1のスケールですが、これくらいの自家発電装置を各家庭が持っていると、停電が起きてもそれほど慌てなくて済みますし、何よりも子供たちの教材として大変優れていると感じます。

 

NTT東日本の光回線のルーターも、Buffalo製のWiFiルーターも、DC12Vでしたので、正しいプラグの付いたケーブルさえ準備しておけば(停電の度合いにもよりますが)インバーターを常時起動しなくても電話やネットが使えたりするのかも知れません。

 

暫くはこの1/20オフグリッドで”お日様と共に暮らす感覚”を家族みんなで養ってみようと思います。(森)

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