追分の家が竣工して早1年ちょっと。
常時滞在していないことを言い訳に、さぼり続けた熱交換換気装置のフィルターを
今更交換してみましたのでそのご報告です(汗)。
さて、換気と空調の機能が一体型となっているzehnder CHM200にはフィルターが4枚もあります(通常の熱交換換気のフィルターは下記①と②の2枚だけ)!
①まず左下が外気フィルター。F7グレードで外から入って来る新鮮空気の汚れを取るのが仕事。一番汚れていますね。
②その右が1Fトイレや収納、2F脱衣室から排気される汚れがちな室内空気を吸うフィルター。フィルターは若干粗目のG4グレードで埃をキャッチしますが、各吸い込み口にフィルターがあるせいか、それ程汚れていませんでした。
③左上の中くらいのサイズのフィルターは、冷房または暖房運転の際に、空調する空気の量を増やすために設けられたリターン口から入って来る室内空気のフィルター。使用頻度が少ないため、一番きれいでした。こちらもG4グレード。
④右側の赤いゴムパッキンが付いているのがPM2.5などを取り除く目的で取り付けられたHEPAフィルター。①または③を通過した空気が通るフィルターなのですが、HEPAは0.3μmの粉塵を99.97%キャッチできる目の細かさのため、表面がしっかり真っ黒け、という恐るべき現象が起きています。これはかなりショッキングな発見です。
写真左が①の外気フィルター。追分の家に常に人が滞在している訳では無い現状ですが、外気は常に入ってきますので、周囲の交通量も少なく、非常に空気が綺麗な立地であるにも関わらず、しっかり汚れているのは衝撃的です(良い子の皆さんはもっと頻繁に交換してくださいね)。本当はどうしても設置したかった静電気で埃や虫を除去するトルネックスという製品が、ダクトパーリー状態となっていた追分の家のキッチンの天井裏にどうにも収まらず、泣く泣く採用を断念、代わりにサイクロン式給気フードを取り付けました。その結果、1年半フィルター交換を怠った後も、この外気フィルターには虫などがまったく引っかかっていませんでした。ここが大型の虫の墓場のようになっているとフィルター交換の際に結構キツイのです。特に天井設置の場合は亡骸が顔の上に落下してきたり・・。
写真右が④のHEPAフィルター。①または③を通過した空気が通りますが、パッシブハウスなので、冷暖房シーズンがかなり短く、リターン口の使用頻度が少ないため、主に①で取り切れなかった外気の汚れがキャッチされたと推測出来ます。上述のトルネックスと同様、HEPAは理論上花粉やウィルス等もキャッチする細かさです。トルネックスを付けた人はこちらのHEPAフィルターを割愛したい気持ちになるのは無理もありませんが、追分の家はこのフィルターが一番細かいフィルターになります。
フィルターが汚れたまま換気装置を使用していると、だんだん空気抵抗が大きくなり、ファンの回転数も上がり、送風の音がうるさくなったりしますので、建物の立地(外気の汚れ具合)にもよりますが半年~1年でフィルター交換をお勧めします、ってずぼらな私が言う資格無いですけど(笑)。
今回は丁度追分の家に打ち合わせに来てくれていたパッシブハウス・ジャパンのメンバーにフィルター交換のお手伝いをお願いしました。実際にはお手伝いというか、私は眺めていただけでした(笑)。
そして今週末はオリンピックを見ながら、SUNKAの部屋の掃除をしていたのですが、ふと気づいたことがありました。SUNKAは通常の3種換気が採用された建物なのですが、追分の家と明らかに埃の量が違うのです。私のようにずぼらで掃除を余りしない人間が、同じように暮らしていて気付いたことです。
3種換気の外気導入口は外気の汚れをそのまま室内に呼び込んでいるため、部屋が埃だらけです。もしかしてSUNKAのように賃貸住宅で一般的に使われる建材が静電気を呼びやすいというのも理由かも知れませんが、鏡や、置き家具の表面にも埃が付きます。追分の家では1種換気の外気フィルターが外の埃をシャットアウトしてくれているので、家の中の掃除が楽なことに気が付きました。あれだけ外部環境の良い場所で、①の汚れ方と②(または③)の汚れ方があれほど違うということは、家の中で発見される埃の発生源の大半は、外から入って来た埃であることが想像できます。そんな訳で、余りまめに掃除をしたくない人には、動機がやや不純ではありますが(笑)、住宅の気密化と1種換気の導入をお勧めしたいですね。
先ほどフィルターの性能としてG4グレードやF7グレードのお話をしましたが、欧州規格では0.4μmの埃を何パーセント除去するかでフィルターのグレードが判れます。JIS規格もなんとなく似た感じですが一応比較表を掲載しました。