先日お会いした方に、ブログの更新が2月で止まってますけど生きてて良かったです、と言われ、猛省している森です。何もないところから建築を造形する作業と、言葉を発したり文字を綴る作業がどうも同時進行出来ない病のようで(汗)。
さて、先日は青春出版さんにてニールセン北村朋子さんのトークイベントがあり、ゲストに工藤勇一先生という豪華な企画でしたので、会場での聴講を申し込んでいたのですが、同日に今度は料理家の石井まなみさんの食事会が同じく東京で開催されることを知り、二つのイベントをはしごすることになったのですが・・・。
朋子さんからは直近のデンマークの総選挙のお話があり、ようやっと新政府の閣僚が発表されるとなんとそこには農林大臣が居なかったというのが一番強烈に印象に残っていました。豚や乳製品の輸出、すなわち畜産が国の産業の中で非常に大きな割合を占める同国で、CO2削減のためにデンマーク人の食生活から見直していかなければ、ということなのだそうです。ようするに、これまで主要とみなされていた産業に敢えてブレーキをかけるということです。このような流れに私は、北欧の環境意識、そしてアニマルウェルフェアに対する意識が遂にここまで来たのか、と感心してしまった訳でした。
実際今年に入ってヨーロッパから来た20代の女の子に食事をふるまうことがあったのですが、ベジタリアン率が高く、ビーガン率も高いので、日本が誇る大豆を中心としたお料理を出してあげる訳ですが、何故か私が焼く蝦夷鹿入りのラザニアや、私が庭で育てているつくねちゃん達の卵が入ったお菓子は少し食べてみたいと彼女たちは言ったりします。これはどういう心理かというと、単純に肉食なんて野蛮だわ、という思想ではもともとなく、適切な環境で飼育された動物のお肉が手に入りにくくなっている現状を見据え、彼女たちは止む無くビーガンというライフスタイルを選んでいるからなのです。食の楽しみが、人生の楽しみの中で大きなウェイトを占める日本人にとっては、ビーガンという選択はなかなか勇気が要るものなのですが、彼女達だってその決断にはそれなりの覚悟が必要だった筈です。
さて、石井まなみさんのイベントは彼女が料理人としてその素材と向き合い、稲をを自ら育て、鹿を自ら狩り、自らの手で調理するという世界感を五感で体感するような時間だったのですが、今回の企画を主宰されたのは、虐待や貧困など、さまざまな困難に直面する人々をサポートしてきた「社会福祉法人子供の家ゆずりは」さんが、生きづらい人たちのための居場所づくりとして始められた「ながれる」という集いの場だったこともあり、人間の「生きるVS死ぬ」という話と、私たちが食する動物たちの「生きるVS死ぬ」という問いがリンクするという、なかなか答えを見出しにくい壮大なテーマ設定となっていましたが、工藤勇一先生の言葉を借りると、人類の長い歴史の中で、文明が生まれた後もずっと弱肉強食みたいな社会が続いてきて、このたった200年で民主主義とか、人権だとかって話にようやっとなってきて、「誰も置き去りにしない」というSDGsのキーワードもやっと生まれた訳です。そして今やその意識が北欧では、お肉になる動物たちにも向けられているということであり、まだベジタリアンになれない私たちは、どうやってその命を尊重しながら頂きましょうかという問題提起をまなみさんがされていると。
結果的に同日に開催された二つのイベントが相互にリンクしているように感じられ、唯一無二な体験となりました。そしてもともと同一行動の予定でしたが、前日に階段でこけて親指の骨にヒビが入った母を車でエスコート(介護?)してくれたわが子にも感謝♡
※写真右側に写っているのは私に瓜二つな私の姉でございます(笑)。