2024年

2月

19日

PH openweeksのご案内

今年も開催いたします。パッシブハウスopenweeks2024

日本で一番寒い時期を狙ったこちらの企画、今年で3回目の開催となります。

軽井沢の追分の家も先週公開させて頂きましたが、外は雪深く、夜間の外気温は-5度という日が暫く続いていた中での体験となり、ご好評頂きました。

こちらは新建ハウジングの記事になります。

全国の物件で公開がまだまだ続きますので皆様のご参加をお待ちしておりまーす!

紙面で採用されなかった方の写真も念のため。このポーズ、数年前は定番スタイルだったんですけどね。沢山の方にまねっこして頂きありがとうございました(笑)。

2024年

2月

10日

木質ペレットの炎を知って欲しくて

待ちに待ったペレットバーナーがイタリアから届きましたー!

屋外専用で、海外だとカフェとかで暖を取るように使ったりするようですね。早速着火してみました。ステンレス製の筒の中に、木質ペレットをたっぷり詰め、着火用に少し、化石燃料由来のものをぶっかけます(涙)。

チャッカマンで着火した後、本体に筒をセット、モバイルバッテリーで通電すると、炎の熱を感知して自動で内蔵ファンが回る仕組みのようです。シンプルな中に、ものすごいテクノロジーを感じます。イタリア人の執念のようなものも。そういえば昔イタリアの薪ストーブ職人が私に言いました。「薪ストーブの前で口説ける女も、ペレットストーブの前じゃ口説けない」と(笑)。

炎がとても美しいですね。これなら口説かれます(笑)。

 

昼間でもとっても綺麗に見えるのに驚いたのですが、これならペレットストーブの出番の無い夏の夜も楽しめそうです。以前内蔵ファンを持たないペレット燃料を使ったBBQコンロを同じくイタリアから取り寄せたのですが、ちょっと火力が維持できる時間が短くて、急いで食材を焼かなければなりませんでした。モバイルバッテリーの助けを借りるというのはとても良い対策と感じました。

 

今回私は無理言ってコールテン鋼色を指定させて頂きましたが、

本体を雨のかからない場所等に移動させる時、私もあちこち錆色になります(笑)。

輸入元のダレスサンドロ・ジャパンの鵜池さんは国内在庫もあるスチール色がお勧めとのことで、是非ご相談ください。

 

今は同じ長野県の伊那で作られているピュア1号というペレットを、佐久森林組合さんから購入しているのですが、もしかしたらもうじき軽井沢町内でペレットが製造出来るかも、という情報も寄せられておりますので・・・

 

薪ストーブの炎がロマンチックで好き!

ペレットストーブじゃ味気ない!

と思っている方の先入観をこれからもぶっ壊していきたいと思います❤

 

2024年

1月

24日

見学ツアーのご案内

明日から一般申し込みとなります軽井沢の視察ツアーのご案内です。

昨年11月末に開催したところ、とても好評だったということで、この冬2回目の開催となりました。戸建て住宅を供給している事業者さんの参加率が高いのですが、いざ参加してみると、木下さんのところでまず事業者としてどのような職場環境を提供するべきなのか?という宿題を与えられ、追分の家では自らのライフスタイルをどうやって転換するのか?という宿題が出るという、「顧客へのサービス」だった筈の省エネ建築というテーマが一気に自分事になってしまうという意味で、面白いツアーです。それぞれの物件でのミニセミナー、ランチにバス代も含んでの参加費なのですが、損はしない筈❤ 

前回好評だったので、追分の家ではテラスでオリジナル・レシピのホットワインお出ししますね!

240115_パッシブハウス軽井沢視察ツアーLLL.pdf
PDF版はこちらからダウンロードいただけます。
240215_パッシブハウス軽井沢視察ツアーLLL.pdf
PDFファイル 1.2 MB

2024年

1月

20日

土壁暖房回路が始動しました!(続編)

土壁暖房の回路がようやっと動き始めましたので、サーモカメラで配管の位置を確認しながら、脱衣室のトイレリモコンやらタオルバーやらを取り付けております。なかなかドキドキしますね(笑)。

タオルバーに関しては、既製品だとピッチが合わないので、toolboxでミリメーター単位で長さを指定出来る真鍮のタオルバーを購入しました。あまりにも長い時間格闘していて壁中の温度が上がってしまい、どんどん不安になったので、一旦回路を切って、暫くしてから最終確認しました。という訳で、サーモカメラには冷水回路のように映ってしまっておりますが(笑)。こんな難易度の高い作業を新津組の堀内監督にさせてしまうのも申し訳ないので、施主自ら取り付けを行いました・・・。ということで、遂にタオルがバイオマスと太陽熱エネルギーでホカホカに。

本件は長野県の信州健康ゼロエネ住宅の補助金を頂いている関係で、先日県の取材が入りました。4K対応のカメラがこんなに小型化していることに驚いたと共に、インタビューのモデルが4K対応していないことが悔やまれ、出来上がりが恐ろしいばかりですが・・。

この取材に合わせて監督が壁の原寸大模型を倉庫から掘り出してくれ、山崎屋木工さんも窓サンプルを届けてくれました。追分の家で採用したネオマフォーム入りの窓サンプルは、丁度別の現場に預けていたそうで、今回はソリッドの木のタイプのサンプル貸出となりました。こちらのサンプルの外側は塗装仕上げではなく、サーモウッド仕上げですね。

2023年

12月

27日

土壁暖房回路が始動しました!

軽井沢は最低気温が氷点下の日が続いています。先週末の積雪の名残はもう無くなりそうですが、明け方はこんな景色です。さて、師走の大忙しの時期に、やっとこさエコモの三原さんと千葉さんを捕まえることが出来(笑)、遂に土壁暖房回路の試運転が出来る日がやってきました。

 

こちらの土壁暖房パネル、土を焼かずに高圧でプレスしたもの。ドイツのメーカーさんから試験的に1パレット分出荷して頂きました。建物の外皮性能がパッシブハウスに向かっていく過程で、エアコン式の空調機でも不快感は解消されていくので、床からの輻射暖房の重要性も薄れていく訳ですが、追分の家のように、バイオマスや太陽熱由来の温水があるケースで、「ちょこっと輻射暖房」の導入で冬場の夜間のヒートポンプ稼働時間を更に切り詰められる可能性も視野に入れての今回のトライアルです。追分の家では1階の北側に面した和室と、2階の脱衣室に土壁パネルを配置しました。1階の和室は居室の中で一番日射取得が少なく、ゲストルームとして締め切って使用するケースがあるため、そして2階の脱衣室は服を脱ぐ場所且つ一種換気の排気経路にあるため、少し体感温度を上げられる手段があると快適性がぐっと上がるはずですね。

ヨーロッパでは壁だけでなく天井にも貼って冷水を流すケースもあるのですが、日本の場合は暖房用として割り切った方が良さそうです。ただ、厚さ25mmにして湿度に対する吸放出性能がおびたたしく、日本の伝統的な土壁同様、夏場には調湿機能を発揮します。

 

 試運転に先立ち、前日の夜にペレットストーブを制御する温水出力温度を、70度から78度に変更し、78度に向かっていく際の燃焼パワーを3から2へ落とし、出来るだけ高温水が貯湯タンク内に貯まるように変更をしてみました。こちらはスマホのアプリの画面です。運転状況の確認や、タイマー運転の設定などもアプリから遠隔操作可能です。

今朝はタンク上部の温度が68度の状態でしたが、タンク下部の温度は17度で低め。その後日中に太陽熱温水器が作動してタンク下部も40度まで温度が上昇しました。

 

その後土壁暖房回路をONにしたところ、あっという間に墨漆喰の壁に架橋ポリ配管の形が浮かび上がりました(写真右はFLIRの熱画像)。やはり床暖房と比べると放熱効率が良いようです。フローリング材の熱伝導率は0.13~0.16W/mKですが、漆喰壁はおそらくその4倍以上の熱伝導率です。温水温度50度であっという間に壁の表面温度が35度に達したので、メーカー推奨の40度まで温水温度を落としました。

 

 

土壁の放熱回路は全く問題無し、ペレットストーブの運転も全く問題無しなのですが、

300Lのストレージタンク内の温度の層がかなりはっきりしているようで、暖房回路を長時間運転するためにはペレットストーブや太陽熱温水器からの熱をタンクのどの高さに放熱させるかが肝であることが良く判った1日でした。とはいえ、物件ごとにストレージタンクをカスタマイズする手法こそ、私がヨーロッパで見てきた設計手法なので、これからのチューニングのプロセスを楽しみたいと思います。「やっぱりこの家はサグラダファミリアだな」と三原さんに突っ込まれてしまいましたが、未完ではありません。あくまでもチューニングです!

 

ちなみに本物のサグラダファミリアは2026年に遂に竣工するそうです(笑)。

こちらは2階脱衣室の土壁暖房パネルの施工の様子です。通常の架橋ポリよりも膨張率の低いものを使う必要があり、国内では見つからなかったので、土壁パネルと一緒に赤い配管もドイツから輸入しています。今回は密閉回路なので酸素を通さない配管となっていますが、日本式の半密閉回路でも問題無く動くようなら採用のハードルが下がりそうですね。

写真右は配管後、砂漆喰を施工した状態。この後中塗りにファイバーメッシュを伏せ込み、墨漆喰仕上げとなります。温水配管の位置がサーモカメラできちんと確認出来るようになったので、ようやっとタオルバーを取り付けることが出来ます!

ところで先日南西を向いた寝室で目覚めた際、部屋の天井に写真のような光が差し込みました。朝日は東から登ってくるのにどうして西側の部屋にこんなに強い光が?と一瞬意味がわからなかったのですが。おそらく南東のコーナーガラスから入射した朝日が、南西のコーナーガラスに反射して、それが更に室内のガラス壁を透過して寝室に達したのでしょう。流石にそこまでは設計段階で予測してませんでしたね(笑)。

森みわ共著「あたらしい家づくりの教科書」

2016年9月1日発売

アマゾンで絶賛発売中!

東日本大震災を経て、省エネな暮らしの大切さに多くの方が気付かれました。2012年発売の「図解エコハウス」。これまで沢山のお施主さんがこの本を握りしめて設計相談に来られました。温熱を勉強したい実務者の方も是非!

パッシブハウス・ジャパン
東北芸術工科大学