2017年
5月
31日
水
JR鎌倉駅西口から徒歩圏の、鎌倉歴史文化交流館へ行って参りました。
この建物、イギリス人建築家、ノーマンフォスター設計の個人邸が鎌倉市に寄贈され、今月15日に公共施設としてオープンしたもの。以前仕事関係でお会いした方のご厚意で、改修前のオリジナルの状態を見せて頂く機会がありましたが、その後随分時間が経ち、この度オープニングセレモニーに鎌倉市の小学校6年生が招待された事でその開館を知りました。
こちらは本館入り口。もともとガレージの扉だった部分が正面玄関となりました。
こちら別館。展示の大部分は本館の方にあります。
建物内部ではブロンズの建具や、透明の石の後ろに光源を仕込んだ人口大理石の壁、ブラウン管をリサイクルしたガラスブロックなど、温熱環境は一切無視ですが贅をつくした意匠が至る所に見受けられます。これらは全てオリジナルデザインですので、個人邸というよりも、もともと美術館のような空間にオーナーさんが住んでいたという表現が正しいかと思います。エネルギーを湯水のように使って空調しているはずですので(笑)、皆さん是非夏の鎌倉散策の合間に涼みに行ってみては如何でしょうか?!
2017年
5月
19日
金
2017年
5月
02日
火
4月27日~30日でウィーン開催の
第21回国際パッシブハウスカンファレンスに参加して参りました。
前回に続き、”アイスブロックチャレンジ”と称したコンペが開催されています。
左側が断熱厚80mmにペアガラスの入った”普通の家”、
右がトリプルガラスが入ったパッシブハウス仕様、断熱厚450mmの家。
中に入っている250Kgの氷は、5月28日時点で何Kgになっているかを
当てるイベントです。
カンファレンスの会場外に設置されているため、
イベントの広告塔の役割も果たしているのですね。
ちなみに、昨年の優勝者はなんと日本からの参加者でした!
参加者は例年通り1000人を超え、メーカーブースは75社程、熱交換換気装置のバリエーションが引き続き増えている印象です。中には改修向けに窓と熱交換換気装置を一体化させ、窓台に給気口がインテグレートされている提案などもありました。
私は茨城パッシブハウスでの給気冷房(6畳用ルームエアコン用のヒートポンプからのガス冷媒を直接給気経路に送り、換気風量のみで全館空調する方式)の実測値に関する発表を行いましたが、通常のルームエアコンとしての運転よりも、室内の湿度が下がる事が実測された事を受け、北米や南米、そしてオーストラリア、ニュージーランドからの参加者が大きな関心を寄せてくださった事が収穫でした。パッシブハウスならではのスマートな冷房方式が確立されれば、夏が厳しい地域でも一気にブームが来る予感がしました。
また、今回はキーアーキテクツがエネルギー・コンサルタントを務めた東京都新宿区の東長寺、文由閣のLow Energy Building認定の授与式が行われ、住職の参加が叶わなかったため、私が代わりにファイスト博士より認定状を受け取りました。授与式の会場はなんと、1889年に建てられたウィーン自然史博物館内(写真上)。
教会建築及び、モスク建築においては、既にパッシブハウス認定を取得した物件があるとの事で、この度仏教建築が仲間に加わった事をファイスト博士は心より喜んで下さいました。
紛争の無い平和な未来のために、宗教のリーダー達が省エネルギーというキーワードで宗派を超えて繋がっていく事は素晴らしく、私達も微力ながら引き続き、建築デザイナーの立場ではありますが地道な活動して参りたいと思います。